退職代行58サービスを調べて分かった。第二新卒が「おすすめランキング」より先に考えたいこと
退職代行58サービスを独自調査すると、運営形態の記述が情報源間で食い違うケースが31件ありました。第二新卒がランキング1位を探す前に、自分でできる準備と、代行に任せる範囲をどう分けるかを実体験も交えて整理します。

この記事で分かること
- 退職代行58サービスを照合すると、31件で運営形態の記述が情報源間で一致しなかった
- 比較ランキングは候補探しには使えるが、最終判断は運営主体・稼働状況・対応範囲を公式情報で確認する
- 退職代行を探す前に、退職意思・会社のルール・引き継ぎ・次の予定を整理する
- 自分で進めるのが難しい部分があるなら、退職代行を必要な範囲で使う
この記事の要点
僕は、退職代行を使う前に「自分でできる準備」を一度整理するべきだと考えています。退職意思、会社のルール、引き継ぎ、次の予定。そこまで整理しても直接のやり取りが難しいなら、必要な部分を代行に頼ればいい。
退職代行を検索すると、「おすすめ10選」「比較ランキング」「失敗しない選び方」といった記事がたくさん出てきます。
初めて会社を辞めるなら、まずランキングを見るのは自然です。
ただ、退職代行について58サービスを調べてみると、少し気になる結果が出ました。
運営形態の記述が、情報源間で一致しなかったサービスが31件ありました。
民間企業なのか。労働組合が運営しているのか。民間企業と労働組合の提携なのか。弁護士が監修しているだけなのか、法律事務所自身が運営しているのか。
この違いが、比較記事ごとに揺れているケースがかなりありました。
だから僕は、退職代行を「ランキング1位だから」で選ぶのはおすすめしません。
それより先に考えたいことがあります。
自分は退職で何に困っていて、どこまでなら自分でできて、何を代わってほしいのか。
ここを決めてからサービスを見る方が、選び方として筋が通っています。
退職代行58サービスを照合すると、比較情報はかなり揺れていた
今回いちばん気になったのは、料金差よりも「サービスの基本情報が揃っていないこと」でした。
NARUでは、2024年1月から2026年10月7日までに日本国内向けに提供されていた退職代行サービスを、比較記事、新規参入の告知、運営形態別の記事、退出情報の4系統から集めました。表記揺れや重複を整理し、最終的に58サービスを対象にしています。
| 調査項目 | 結果 |
|---|---|
| 調査対象 | 58サービス |
| 公式URLを特定 | 57 / 58 |
| 2026年10月時点の営業状態を判定 | 53 / 58 |
| 運営形態の記述が情報源間で不一致 | 31 / 58 |
| 公式サイトに到達できず、倒産も確認できない | 8 / 58 |

出典:NARU独自調査(2026年10月7日時点)。
31件すべてが「比較サイトの誤情報」という意味ではありません。
たとえば「労働組合が運営」と「民間企業が労働組合と提携」は、情報源によって表現が混ざりやすいところです。「弁護士監修」と「弁護士運営」も同じではありません。
それでも、申し込み先を決める材料として見るなら、この揺れは無視しにくいです。
さらに、比較記事では現役サービスとして掲載されているのに、調査時点で公式サイトへ到達できなかった例もありました。逆に、現在も稼働を確認できるサービスを「運営停止」とする記述も確認しています。
比較記事は候補を見つけるには便利です。ただ、最終確認まで比較記事だけで終わらせるのは危ない。これが58サービスを見て最初に感じたことです。
「おすすめ1位」より先に、何を代わってほしいのかを決める
退職代行は、全員に同じ1位を出しにくいサービスです。
理由は単純で、困っていることが人によって違うからです。
会社に退職意思を伝えてほしいだけの人もいます。会社とのやり取りに不安がある人もいます。退職後の手続きまで知りたい人もいます。
今回の調査でも、退職後のキャリア支援を確認できた32サービスのうち、何らかの支援を掲げていたのは15サービスでした。その中でも、提携先への紹介、自社でのキャリア相談、自社での求人紹介は別物です。
つまり「サポートあり」という一言だけでは、何をしてくれるのか分かりません。
ランキングを上から見る前に、
- 何を自分でできるのか
- 何を直接やりたくないのか
- 何を外部に任せたいのか
を決める。
この順番なら、料金や知名度だけに引っ張られにくくなります。
第二新卒ほど、退職代行を探す前に5つ整理しておきたい
僕は、退職代行を探す前に「社会人として自分でできる準備」を一度整理してほしいと考えています。
これは「自力で辞められないなら甘え」という話ではありません。
退職は、会社との連絡を終わらせるだけではなく、自分のキャリアを次へ進める意思決定でもあるからです。
退職代行を探す前に整理すること
- なぜ辞めるのか、自分の意思は固まっているか
- 就業規則や会社の退職手続きを確認したか
- 自分で直属の上司へ伝えられる状態か
- 引き継ぎ、返却物、担当業務を整理したか
- 退職後の生活や次の転職予定を考えたか

NARU作成。本文の確認事項を4要素に整理しています。
この5つを全部完璧に終わらせる必要はありません。
ただ、何も整理しないまま「とにかく明日から会社と関わりたくない」でサービスを選ぶと、退職した後に考えることが一気に残ります。
特に第二新卒は、職歴がまだ短い時期です。「なんとなく辞めたい」の正体を分解する記事でも書いたように、辞めたい理由を言葉にしておくことは、次の会社選びや面接にもつながります。
自分でできる準備まで、全部外に出す必要はありません。
僕は転職先を決めてから、自分で退職を伝えた
僕の場合は、次の会社を決めてから、自分で直属の上司に退職を伝えました。
doda経由で自己応募した会社から内定が出て、入社が決まった後です。
退職を伝えた相手は、日常的に報告していた直属のマネージャーでした。その後、以前から評価制度の件で衝突していた部長から引き止めもありましたが、意思は変えませんでした。
在籍期間が短かったので、大掛かりな引き継ぎは特にありませんでした。
僕のやり方が、全員の正解だとは思いません。
少なくとも僕の場合は、「辞める意思を自分で伝える」「できる整理をしてから離れる」というところまでは自分で行いました。
詳しい流れは、退職の伝え方と有給・ボーナスの実体験にまとめています。
それでも自分で退職するのが難しいなら、代行を使えばいい
自分でできる準備を考えたうえで、それでも直接やり取りするのが難しいなら、退職代行を使えばいいと思います。
会社が退職の話を受け付けない。引き止めが強くて話が進まない。会社と連絡を取ること自体が現実的ではない。
そういう状況まで、「社会人なんだから全部自分でやるべきだ」と言うつもりはありません。
僕が引っかかるのは、退職代行を使うことではなく、自分が何を困っているのか分からないまま、ランキング上位のサービスに全部を任せることです。
退職の意思は自分で決める。
自分で進められるところは進める。
難しいところは頼る。
この切り分けができていれば、退職代行は「逃げるためのサービス」でも「全部を丸投げするサービス」でもなく、必要な部分を補う手段として使えます。
退職代行を選ぶなら、ランキングよりこの順番で確認する
実際にサービスを選ぶ段階では、順位より確認する順番を決めた方が分かりやすいです。
僕なら、次の順で見ます。
- 自分は何を代わってほしいのか
- 誰がサービスを運営しているのか
- 公式サイトは現在も申込できる状態か
- 実際の対応範囲はどこまでか
- 「退職後サポート」の中身は何か

NARU作成。本文の選び方を3ステップに整理しています。
特に今回の調査では、運営形態の記述が情報源間で食い違うケースが31件ありました。
なので、比較サイトで候補を知ったら、それで終わりにしません。公式サイト、運営主体の表記、現在の申込導線、サービス説明を見直します。
「退職後サポート」も同じです。離職票や返却物などの手続き支援なのか、提携する転職サービスの紹介なのか、自社で求人紹介まで行うのかで意味が変わります。
比較サイトは入口。
最後は、自分が必要としている役割と、公式に書かれている対応範囲を合わせる。
この使い方が一番現実的です。
調査方法と、このデータで言えないこと
今回の58サービス調査は、退職代行の優劣や利用者の転職結果を測ったものではありません。
対象はサービス単位です。同じ法人が複数ブランドを運営している場合もあるため、58社ではなく58サービスと表記しています。
比較・ランキングサイト、運営形態別の記事、新規サービスのリリース、退出関連情報から候補を集め、公式サイト、特定商取引法に基づく表記、法人情報、2024年・2025年のWebアーカイブなどを照合しました。
一方で、網羅性は保証できません。公式サイトへ到達できなかったサービスもあります。サイトが消えていても、それだけで倒産とは扱っていません。
また、この調査では「退職代行を使った人が転職で不利になったか」は追跡していません。
だから、この記事から「退職代行を使うと転職に不利」「この運営形態なら安全」といった結論は出しません。
分かったのは、比較情報に揺れがあり、サービスごとの役割も同じではないということです。
退職代行は「全部を任せるサービス」ではなく、必要な場面で使う手段
僕が今回の調査を通じて伝えたいのは、退職代行を使うなという話ではありません。
会社を辞めるのは、自分のキャリアを変える大きな判断です。
だから、まず自分で決める。
できる準備をする。
それでも難しいところがあるなら頼る。
僕はこの順番が、第二新卒の退職では大事だと思っています。
僕自身、評価制度やキャリアの見通しに不安を感じて転職しました。転職先が決まった後に直属の上司へ退職意思を伝え、部長から引き止められても意思は変えませんでした。
退職代行が必要になる状況はあります。
そのときは「おすすめ1位だから」ではなく、自分が何を任せたいのかが決まった後に選ぶ。
それが、58サービスを調べた僕の答えです。
次の会社選びまで整理したい人は、第二新卒が陥りやすい転職の罠と回避策も参考にしてください。
調査メモ
- 調査基準日:2026年10月7日
- 対象期間:2024年1月1日〜2026年10月7日
- 対象:日本国内向けに提供されていた退職代行58サービス
- 候補収集:比較・ランキング、運営形態別記事、新規参入リリース、退出関連情報
- 主な照合先:各サービス公式サイト、特定商取引法に基づく表記、国税庁法人番号公表サイト、Internet Archive
- 国税庁法人番号公表サイト:https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/
- Internet Archive:https://web.archive.org/
よくある質問
第二新卒が退職代行を使うのはよくないことですか?
退職代行を使うこと自体を良い・悪いで決める必要はありません。まず自分でできる準備と、直接やり取りするのが難しい部分を分け、そのうえで必要な支援を選ぶのが現実的です。
退職代行のおすすめランキングは信用しない方がいいですか?
候補を知る入口としては使えます。ただしNARUの58サービス調査では、運営形態の記述が情報源間で食い違うケースが31件ありました。申し込む前に公式サイト、運営主体、現在の申込可否、対応範囲を確認してください。
退職代行を使う前に何を確認すればいいですか?
退職意思が固まっているか、会社の退職手続きや就業規則を確認したか、自分で上司へ伝えられる状態か、引き継ぎや返却物を整理したか、退職後の生活や転職予定を考えたかの5点を先に整理します。
転職先を決めてから退職した方がいいですか?
僕は転職先を決めてから退職を伝えました。次の入社が決まった状態で退職手続きを進めたのが、僕の実際の順番です。ただし、今の会社との直接のやり取りを続けることが難しい状況まで無理に同じ順番を取る必要はありません。



