本文へスキップ
NARU
業界解説

正社員から業務委託へ切り替えると社会保険はどうなる?健康保険・年金の手続きと確認先

公開:
SHARE
正社員から業務委託へ切り替えると社会保険はどうなる?健康保険・年金の手続きと確認先|業界解説記事のアイキャッチ画像

正社員から業務委託に変わると、健康保険と年金は別々に確認が必要です。任意継続・国民健康保険・扶養の違い、国民年金の手続き、会社から受け取る書類と確認先を整理します。

NARU Point

委託報酬の額面を比べる前に、健康保険と年金の確認先を分けましょう。会社が行う資格喪失の手続きと、自分が行う加入・変更の手続きも別です。

この記事で分かること

  • まず雇用終了日と社会保険の資格喪失日を確認する
  • 退職後の健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養を条件と保険料で比較する
  • 健康保険の任意継続だけでは年金の手続きは終わらない
  • 書類の発行を待つ間も提出先へ相談し、期限と必要書類を確認する

業務委託への切り替えでは健康保険と年金を別々に確認する

「来月から業務委託に変える。報酬は今の給料より上げる」と言われたら、報酬だけで判断する前に、会社の健康保険と厚生年金がいつまで続くのかを確認しましょう。

会社を退職して個人事業として働き、会社の健康保険・厚生年金の資格を失う場合、退職後の健康保険の選択と年金の種別変更を別々に整理する必要があります。健康保険の任意継続を申し込んでも、厚生年金まで継続するわけではありません。

この記事は、実際に雇用を終了して個人で業務を受託する場合の手続きに絞ります。業務委託という契約名だけで自分の加入制度を決めず、別の勤務先での加入や家族の扶養なども確認してください。切り替え提案そのものの妥当性や働き方の問題は、正社員から業務委託への切り替えリスクで整理しています。

最初に会社へ確認するのは終了日・資格喪失日・書類

切り替えに同意する前に、人事や労務の担当者へ次の内容を確認します。口頭の「保険は自分で入って」で終わらせず、日付と書類名を記録しましょう。

確認する項目 聞き方の例
雇用が終わる日 退職扱いになる日はいつですか
健康保険・厚生年金の資格喪失日 それぞれの資格喪失日はいつですか
書類の発行 健康保険資格喪失証明書などは、誰に依頼していつ受け取れますか
現在の保険者 協会けんぽですか、健康保険組合ですか

これは確認用の編集例です。会社から受け取る書類と、加入先で求められる書類は必ずしも同じではありません。必要書類は提出先にも確認します。

会社が資格喪失の手続きをすることと、自分が次の加入・変更を行うことは別です。書類が届くまで何もしないのではなく、発行予定日を伝えて提出先へ相談すると、準備するものを把握できます。

退職後の健康保険は三つの選択肢を比較する

退職後の健康保険を任意継続、国民健康保険、家族の扶養の三つに分けた図

協会けんぽは、退職後の健康保険として「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険の被扶養者」の選択肢を案内しています。協会けんぽ:任意継続

選択肢 確認先 比較すること
任意継続 退職前の保険者。協会けんぽなら居住地の支部 加入条件、申込期限、保険料、納付方法
国民健康保険 住所地の市区町村 加入書類、保険料の試算、届出方法
家族の健康保険の扶養 家族の勤務先・加入している保険者 自分が被扶養者の認定条件を満たすか、収入の扱い

業務委託収入があるから一律に扶養に入れない、あるいは報酬が少ないから自動的に入れる、と決めつけないでください。自営業の収入・経費をどう確認するかも、家族が加入している保険者へ相談します。

任意継続は条件と申込期限を先に確認する

協会けんぽの任意継続は、資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して2か月以上あり、資格喪失日から20日以内に申出書を提出することが条件です。20日目が土日・祝日の場合は翌営業日、郵送なら期限内の到着が必要と案内されています。協会けんぽ:加入条件

退職後は事業所の負担がなくなり本人が全額を負担します。ただし標準報酬月額の上限や保険料率が関わるため、「今の給与明細の保険料を2倍にすれば正確」とは限りません。支部へ具体的な保険料を確認してください。協会けんぽ:保険料

健康保険組合に加入していた場合は、その組合の案内で手続きと保険料を確認します。

国民健康保険は住所地の自治体へ確認する

新宿区の例では、職場の健康保険を辞めた場合の届出を、事実が発生してから14日以内と案内し、健康保険の資格喪失証明書などを必要書類に挙げています。これは新宿区の窓口案内の例です。居住地が違う人は自分の自治体の案内を確認してください。新宿区:国民健康保険の届出

任意継続とどちらが安いかは、記事中の一律の金額で決めず、自治体と保険者で自分の条件に合わせた試算を取りましょう。納付額だけでなく、家族の加入状況や必要な手続きも比べます。

健康保険を継続しても年金は別の手続き

健康保険の選択と年金の種別変更は別々に確認することを示す図

日本年金機構は、日本国内に住む20歳以上60歳未満で厚生年金に加入していない人は、国民年金の第1号または第3号被保険者になると説明しています。第1号は保険料を自分で納める区分です。日本年金機構:国民年金に加入するための手続き

退職後に厚生年金へ加入せず、配偶者の扶養による第3号にも該当しない場合は、第1号への変更を確認します。家族の健康保険の扶養と、配偶者の年金の第3号を同じものと考えないことも大切です。

第1号への変更について、日本年金機構は住所地の市区町村で、退職日の翌日から14日以内に手続きすると案内しています。基礎年金番号が分かる書類、またはマイナンバーと本人確認に関する書類を準備します。退職直後は厚生年金の資格喪失日を証明するものが必要になる場合があります。電子申請の案内も確認できます。

配偶者の扶養に入る場合など、自分がどの区分になるか不明なら年金の窓口へ確認してください。健康保険の窓口に相談しただけで、年金の手続きも済んだとは判断しないようにしましょう。

書類・試算・期限を一つのメモにまとめる

資格喪失日の確認、加入先の比較、期限内の届出を順に進める図

手続きを始める前に、次の記入表を使って確認先を分けます。金額が未確定なら空欄にして、窓口の回答を記録してください。

記入するもの 自分の確認結果
雇用終了日/健康保険・厚生年金の資格喪失日 日付と確認した担当者
任意継続の申込期限と保険料 保険者に確認した内容
国民健康保険の必要書類・届出期限・試算 自治体に確認した内容
扶養の認定条件 家族の勤務先・保険者に確認した内容
年金の変更先と必要書類 年金窓口に確認した内容

保険料の引落し開始や納付書の到着が後でも、届出の締切が同じとは限りません。「請求が来たら動く」ではなく、資格喪失日を起点に確認します。書類の発行が遅れるときは、自己判断で期限が延びると考えず、提出先へ相談してください。

委託報酬から保険料を支払う場合は、手元に残るお金の計画も必要です。ただし税金や経費まで含めた報酬比較と、加入手続きの確認は分けて進めましょう。契約終了時の対応が気になる人は、業務委託の契約終了と働き方の確認も参照できます。

参考資料

制度と窓口案内は2026年10月4日に確認しています。個別の加入可否・書類・保険料は各窓口の案内で確認してください。

よくある質問

業務委託になると社会保険は全部なくなりますか?

会社の健康保険・厚生年金の資格を失う場合でも、公的な医療保険や年金の確認が必要です。健康保険は任意継続・国民健康保険・家族の扶養を検討し、年金は退職後の状況に応じて手続きを確認します。

任意継続を選べば厚生年金も続きますか?

健康保険の任意継続と厚生年金は別です。厚生年金に加入しない20歳以上60歳未満の国内居住者は、国民年金第1号または第3号への変更について確認してください。

協会けんぽの任意継続はいつまでに申し込みますか?

資格喪失日から20日以内です。20日目が土日・祝日なら翌営業日となり、郵送の場合は期限内の到着が必要です。被保険者期間が継続して2か月以上あることなど、加入条件も確認します。

国民年金の第1号への変更はどこで行いますか?

住所地の市区町村で手続きします。日本年金機構は退職日の翌日から14日以内と案内しています。持参書類や電子申請の方法は公式案内を確認してください。

SHARE

関連記事